かぼすぶろぐ

ブログの練習。途中でもとにかく投稿。練習だから雑記でもおK。

音声配信で宮沢賢治の魅力を伝えたい

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 音声配信サービス「stand.fm」を始めて間もなく3週間が経とうとしている。

相変わらず毎日楽しんで配信させてもらっていると、音声とともに自分の中の気持ちに変化が現れるのを感じる。

 

宮沢賢治を読んでみて】


最初は何の気なしに収録したのに、いつの間にやら四六時中考えてしまっているのがこの宮沢賢治である。

音声といえば「朗読」や「読み聞かせ」だろうと思い安易に収録した、
星めぐりの歌」が読んでいて自分自身がその世界に引き込まれるような
いわゆる没入感があった。
変な言い方をすれば悦に浸れる、そんな感じ。

 

その文字の一つ一つがキラキラしているように思えた。

宮沢賢治は私の故郷花巻の偉人であるし、幼いころからその作品や世界観には触れてきたが、正直興味はなかった。
stand.fmで何気なく読んだ朗読「星めぐりの歌」でその魅力を再認識しました。

星めぐりの歌と永訣の朝の朗読】


今回私がstand.fmで朗読したのはこの二作品で、宇宙的な表現がキラキラしています。

星めぐりの歌は有名な歌ですが、短いので一応


※歌詞
あかいめだまの さそり
ひろげた鷲(わし)の つばさ
あをいめだまの 小いぬ、
ひかりのへびの とぐろ。

オリオンは高く うたひ
つゆとしもとを おとす、
アンドロメダの くもは
さかなのくちの かたち。

大ぐまのあしを きたに
五つのばした  ところ。
小熊のひたいの うへは
そらのめぐりの めあて。


はい。
私はとくに「つゆとしもとを おとす」が好きですね。
宇宙的ではないですが「オリオン座が見えるころに つゆが霜へと変わる」という一節です。
この文により、周りの宇宙感が引き立つように思います。

自分は地表にいて空を見上げている様子。
そしてその視線の先の天井ではこれらの星が輝いているイーハトーブ(賢治の故郷の造語)の様子が伝わります。


・永訣の朝にあるのは次の一節

「銀河や 太陽、気圏(きけん)などと よばれたせかいの
そらから おちた 雪の さいごの ひとわんを……」

はい。
成層圏っていうんでしょうか。
ただの「空」ではなく、空気の薄さや極寒さ、その暗さを感じられる一節だと思います。
そしてそこから降りてくるのは「まっしろなゆき」
濃紺の世界と純白の雪のこのコントラストを想像させます。

宮沢賢治と言えば「銀河鉄道の夜」や「よだかの星」も有名で宇宙的なエッセンスが非常に多く取り込まれた作品が多いです。
賢治自身は宇宙哲学や仏教における死生観に尽くしていたともいわれるので、その非常人的な表現をファンタスティックな文章で繰り広げられます。
読んでいるとまるでプラネタリウム、いや、宇宙旅行をしている気分になれます。



宮沢賢治のすすめ】 

stand.fmで配信してみて他の文豪に全く引けをとらない魅力的な人物、
宮沢賢治の作品にもっと多くにファンがついてもいいように思います。

実に切なく。
実にファンタジー
実にアストロマンティック。

特に星めぐりの歌は名立たる有名人や声優さんが歌っていますし、
一度聞いてみるとその浮遊感に虜になれます。

「永訣の朝」はとても悲しい話ですが、文章の隅々まで描写されている作品で5分程度で聞けます。
私も故郷花巻の訛りで全力で読んでいますので、よかったら聞いてみてください。

無料アプリ青空文庫でも読むことが出来ます。
WEB版もあるので是非ご覧ください。